g_song's blog

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足元をすくう

精神病を耕す―心病む人への治療の歩み

精神病を耕す―心病む人への治療の歩み

「『分裂病を耕す』の続刊!!」と帯にありますがそっちは読んでません。

精神科の本って色々あるとは思いますが、大まかに4つにわけられるのかなぁと思っています。
1つは科学的なもの。薬理とか生理とかがからむような。
1つは哲学的なもの。文系の方のほうが読んでそうな。
1つはトンデモ。これが一番売れる。書きたい。そして売りたい。儲けたい。
そして最後に上の3つをすべて混ぜ合わせたような経験的なものがあり、今回読んだのは経験的な面から見た精神科の本といえるでしょう。

診療報酬などの問題から入院日数がどんどん短くなる昨今ですが、何のために入院し何を根拠に退院させるのかなど、知識を詰め込むと抜けてしまいそうな部分が数多く指摘されていたように感じました。

本の最後に阪神大震災でのボランティア体験について綴られているのですが、発音上は正しいのでしょうがひたすら「ヴォランティア」と書かれており、「ヴォ」という表記の力強さが驚くほど感じられました。ヴォランティア。なんかこう「ヴォルデモート」に近しい物を感じる。

地球の火星の人類学者

火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)

火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)

レナードの朝」の人のエッセイのような症例報告のような。

発達障害や後天的な機能障害、または先天的な障害からの回復?など、興味深い話が多いです。
科学者としての視線と患者への敬意の両立をいかにしていくか、ということを教えられるような気がしますね。イシキタカイオレ。

発達障害の患児の持つ特別ないし特殊な才能がその障害と不可分なのか、芸術に感情や共感が必要だとしたら発達障害児の作品は「芸術」でありうるのか、など、答えが見え隠れするようなしないような。

表題作「火星の人類学者」を読んで、先日情熱大陸だったかに取り上げられた脳科学者の女性が思い出されました。その方の持つ憎しみは誰かがどこかでもう少し何かできたのでは、とあらためて思います。

解放

資格試験が終わりまして、労働者としての人生の始まりが見えてきました。
中学生ぐらいの頃の夢では将来は高等遊民として過ごしていたはずなのに、嘆かわしいものです。

さて。

ここから一ヶ月ほどモラトリアムな日々を送ることになります。
超能力にでも目覚めるのもよいのですが、なにか本を読んだりするのが高等遊民志望であったものには相応しいように思います。

世間様の出来事やら政治やら国際情勢やらなにからなにまでめまぐるしく変わる昨今ですが、まあ隅っこで生きていければいいなぁと思います。

あまりにも空虚

新年にした73357854個の決意のうち1つに「ブログを週1回書く」という決意があったのですが、今年から1週間が15日ぐらいになったんですかね。不思議なことがあるものです。

書くことや書けるようなことが日々そんなに起こらないんですよね。
来月にある英検5級よりも合格率高そうな資格試験のせいで、なかなか変化に乏しいようなあってもあまり楽しくないような変化だったりで。

前から書こうと思っていた話をひとつ。
みなさんは北欧の方に生息するカバの亜種であるムーミンという生き物をご存知でしょうか?サンタを引いて走ったりするあれです。
書店に行くとムック本みたいなものがあったり、雑貨屋さんに行くとさまざまなキャラクターグッズが出ていますよね。
結構前になりますが、原作小説の1つを読みました。

新装版 ムーミンパパ海へいく (講談社文庫)

新装版 ムーミンパパ海へいく (講談社文庫)

これしか読んでないのでこの話を紹介したいと思います。

ムーミンに出てくるキャラクター、みなさんは何人ぐらい知っていますでしょうか。
ムーミンムーミンパパ、ムーミンママ、ムーミンタロウ、スナフキン、リトルミィ、ニョロモニョロゾニョロトノニョロボン、ニョロニョロぐらいでしょう。
本を読む前のイメージですが、たぶんスヌーピーあたりと混同しているせいで、ダメダメなムーミンに対してスナフキンがなにか哲学的なことを返すパターンの作品だと思ってました。
僕が今回読んだ「ムーミンパパ海へいく」はもう全然そんな話ではなく、僕の62456866個のトラウマの一つに計上できるレベルの作品です。

まずムーミン谷が平和であり、それすなわち退屈であるとムーミンパパが悟ります。なんか山火事が起こらないかとか期待して、不必要に妻や子供に当たり散らしたりしてます。
そしてなんでかはよくわかりませんが海を渡った島での生活を目指します。理由は退屈だからと父として威張り散らしたい、とかそういう理由です。
豊かなムーミン谷を離れた一行(リトルミィはムーミン家の養子なんだそうですがこれもちょっとついていけません)は、荒れ果てた島に辿り着きます。そういうサバイバル環境に燃えるムーミンパパだけはテンションが高いのですが、不自由な暮らしになったせいでムーミンママは心を病み、ムーミンも家出したりします。
そこでムーミンは美しい海馬にあったりするのですが、あるとき自分が大切にしていた場所をアリに占領されます。
で、リトルミィがなんとかしてくれるというのでお願いしたところ、リトルミィは油をまいて火を放ち、アリを皆殺しにした挙句に「ムーミン、貴様は私に頼んだ時から、私がアリを皆殺しにすることに気づいていだだろう?アリを殺したのはお前だ」みたいなことを言います。

物語のオチ?は、なんというか結局その島には大した資源も何もないという救いのない話で、やや投げっぱなし感のある終わりでした。ただまあムーミンママが心を病んだあたりから「めでたしめでたし」で終わるようには思えなかったので妥当でしょう。

スナフキンもニョロニョロも出ませんでしたが、代わりにモランというやつが出てきます。トーベ・ヤンソンのムーミン 楽しいムーミン一家 | ムーミン村の仲間たち キャラクター紹介
こいつがまたクトゥルー神話あたりで「すべてを飲み込む哀れな闇」とか呼ばれてそうなキャラクターで、リンク先の説明ではムーミンに理解してもらえているみたいに書いてありますが実際のところ結構邪険に扱ってました。

上のアリを焼き尽くすエピソードがあまりにも全うなことをいってる分恐ろしく、街でリトルミィのグッズを見るたびに「貴様はアリを見殺しにしたのだ。リトルミィはすべてお見通しだ」と責められているようで、たいへん生きづらい日々を送っています。

みなさんもぜひ読んでみてくださいね。

かたり

新年あけましておめでとうございます。

先月頃からこのブログの更新にそれ用のアプリを導入しまして、その結果アクセス数とかがすぐ見えるところに表示されまして、せいぜい数件だと思っていたら思ったより多くて、一体みなさまこのブログに何を求めてアクセスされていらっしゃるのかわかりません。
やはり紅茶ですかね、紅茶福袋。
前に当ブログでも触れたTEAPONDさんのピュアティー福袋は買いましたが、シルバーポットさんの福袋ほど細かいネタバレはなしで行こうかなぁと。7種類別産地で入っていて、ダージリン1stフラッシュも入ってました。僕はとてもお買い得だったと思います。

さて。
みなさま年末年始はいかがお過ごしですか?エロくて薄い本に囲まれて楽しく過ごしてますか?
僕は年末はドキュメント72時間 - NHK、年始はNHK 新世代が解く!ニッポンのジレンマという番組を見ました。みなさんがエロい同人誌読んでいる間に。日本の今とか未来とかを、こう、ね。みなさんはどうせエロい同人誌読んでたでしょうけど。

後者は討論番組で、なんか若くしてネットでチヤホヤされるようになった起業家やらカタカナ系のお仕事に付いてる方と若手の社会学者とかが集められて語り合うというものです。
そんなに驚嘆すべき意見はない気がしましたが、今の流行りみたいなのは見られたのでよかったです。
この番組中でも少し触れられていて、もう少し語られるべきだと感じたのですが、結局こういうところに集まって話している人たちってごく一部のエリート、成功者なんだよなぁと思いました。もちろんこんな番組を見てるというだけでそっち側なんだと思います。本当に。

Twitterやネットによる交流が社会を変えた、とかプログラミングを学ぶことで世界が広がる、というのは成功者の視点で、世の多数派はTwitterも身内とのやり取りやパクリBotの紹介する画像を見て「わかるわぁ」といって、あとはせいぜい犯罪自慢するためにあるわけで、世界は広がってないように思います。

LINEの開発チームの女性が番組に出ていましたが、そういう賢い方たちは別に世界を良くするわけではなく、作ったツムツムやらLINEスタンプに金を使わせるための広告を売ってるわけです(個人的にはクリエイターズスタンプとかは嫌いじゃないですが、シュールな画像を作って大儲けするような「クリエイター」を養う余裕がこの社会にどれほどあるのかは僕には判断できません)。

この辺りのモヤモヤは「ドキュメント72時間」のほうで紹介された人々の姿が僕の中にあるから生じるのかもしれません。休日はひたすらショッピングモールにうろつく中学生とか中卒で働くお兄ちゃんとかが、年始から正月番組は見ないでしょう。そういう人々を無視した議論は所詮は机上の空論で、高齢の政治家が言いたいことだけ言い合ってる討論番組と何も変わらないことでしょう。

ただ、番組中で出た女性の労働の話はもう少し掘り下げるべき価値があったように思いました。
「ニッポンの大転換2015」番組収録後インタビュー:三浦瑠麗 | 語った | ジレンマ+この方か。
番組中で「フェミニズムではもうダメで、いかに保守に理解できる範囲の主張をするか」的な話をされていて、その視点は僕になかったのでハッとさせられましたね。妥協した主張をしなければならない時点で女性がいかに低い地位にいることか、と嘆きたくなりますが、それはそれとして現実に訴える以上は戦略的にならなければならないんだよなぁと。

番組の終わりの方で「もっとデータの取り方や活用の仕方があるのでは」みたいな話が出てて、これはすでに糸川先生がカルボニルストレスを発見する過程でやっている手法なのだろうなぁと思いました。政治学どうこう経済学どうこうは確かに大事ですが、そのうえで現実に生きている人々の感性や感じたものを再評価すべき時なのだと思います。医学系の人がひとりあの場にいても面白かったのかなぁと思いました。

また、最後になりますが、今回の議論でも障害者とかは話題にあがらないということには軽く失望しました。福祉の話をして欲しいわけではなく、社会の構成員としての障害者は決して少ないものではないと思うのですが。

まあ番組構成とかいろいろありますし万人に納得の行く議論や番組なんて無茶な話ですよね。

こういうことを、みなさんがエロくて薄い本に熱中している間に考えて生きています。あ、別にみなさんはエロいこと考えててくださって結構ですよ。

コミケット

コミックマーケットが始まりましたね。僕はいけませんけど、戦利品とかバンバン送ってくださいね。前から思っていたんですけど「コミックマーケット」→「コミケット」→「コミケ」→「コケ」→「ケ」ぐらいまで行くのはいつなんですかね。

気持ち悪い犯罪者予備軍であるオタクが何万だか十何万だか押しかけるイベントで良くも悪くも有名ですが、そういう批判のたびに色々な形で擁護というかフォローが入りますよね。
よく見るのが「エロはむしろ少ない。他の小さい評論本などを買えるのがいいところだ」とかいう擁護ですが、こういうものをメインに買いに行く人はたぶん自分のことを「気持ち悪い犯罪者予備軍」だと思わないので、ネット上で叩かれている対象だと自覚すらせず、したがって反論もしないだろうなと思います。正直小規模な評論やら手芸品を売ってる人たちは大量に来るエロ目的の参加者とか邪魔に思ってそうだけどどうなんだろ……

僕はコミケのいいところは、エロばっかりなところだと思っています。
朝の埼京線レベルで混みあった会場内で静かな行列ができていると思ったらその先には白濁液まみれの男性器を生やした幼女のポスターとかがドーンとあるわけですよ。早朝から並んで血色悪いおっさんやら案外普通そうな女性とかが列をなしてエロ本を買いに来るのがコミケの面白さなのでは。

この際なので、大人だったら身につけておくべき「AVコーナーの作法」を解説します(1/3) - オモトピア
レンタルビデオのそういうコーナーて僕の中では上のリンク先のイメージなのですが、そういう紳士っぽさとかをかなぐり捨ててある意味真摯にエロを求めることに人間のもつアホらしさが垣間見えてすごくいいと思うんですけどね。

そういう欲望まみれの現場に赴かれるみなさま、いいエロ本手に入れてくださいね。戦利品を送ってくださる方はご一報くださいね。

ものもらい

人生で初めてものもらいになりました。
正確に医学的でいうと内麦粒腫、英語で言うと internal hordeolumです。もっと難しそうに聞こえる言語で表記して難病を名乗りたいのですが大したことないですね。でも瞬きするたびに痛いので辛いです。年が明けるまで目を開けないで過ごしたい。


さて。
関係があるようなないような話として年末に渋谷区がなんか公園を封鎖するらしいですね。
新宿区がデング熱騒ぎの時に封鎖を全然しなかったことを考えると、渋谷区の意識の高さに驚きますね。
渋谷区の意図はわからないのですがサッカーの試合の時の通りを封鎖したりそもそもバスケットボールストリートとかいう愉快な名前についても考えなおしたりとか仕事はありそうですけどね。

政治的な話題をするのは本意ではないんですけど、何が言いたいかって瞼が痛いのが辛いってだけです。

これも関係あるようなないような話ですが、ポジショントークやらステレオタイプの押しつけでアクセス数を稼ぐ記事とか流行ってますよね。個人がそういう偏見を個人の経験のみに基づいてもっともらしく語り、それに同意したり反論したりという流れはそろそろインターネッツ歴が2年以上あるみなさんは卒業してくんないかなマジで。

何が言いたいかって、瞼が腫れて痛いんです。