g_song's blog

備忘録的な。@g_song2

麻酔科1日目

GWが開けてしまった。なんてこった。閉じられる人は閉じといてください。

 

さて、麻酔科。

麻酔の3要素:意識消失、鎮痛、筋弛緩

全身、局所、導入、維持それぞれで用いる「麻酔」は意味が違うことに注意。

 

局所麻酔薬:リドカイン→Na+チャネルブロッカー。神経伝導をブロック。

パチニ小体などで受容されたアナログの刺激をNaチャネルが電気信号に。それが伝わっていく。感覚神経は双極。皮膚で麻酔を行うより脊髄に近いところで行うほうが少量で済む。

リドカインは抗不整脈薬にも使うよー。プルキンエ線維あたりで働く。

リドカイン中毒:中枢症状:めまい、耳鳴(内耳神経は脆弱)→けいれん(GABAの神経は弱い)。ジアゼパムとか使うとGABA受容体がClチャネルを開く。ベンゾジアセピン、バルビツール、プロポフォール、セボフルランなどなどの全身麻酔に使う薬は抑制伝達を強める。

局所麻酔中毒で死ぬ場合は呼吸が停止する。C3,4の横隔神経がやられる。

心よりも先に横隔神経がやられるのはNaチャネルが心のほうが多い、チャネルの構造が違い結合能が異なる、などの理由がある。

 

午後は気管挿管の人形とお遊び。壊れててすげーやりにくかった。

あと筋弛緩の話。

筋弛緩すると呼吸ができなくなってヤバイ。よって沈静→マスク換気→筋弛緩→挿管の順番。

神経筋接合部にあるニコチン受容体Nmに働くから、筋弛緩薬は骨格筋のみにきいて心筋や平滑筋は大丈夫。

脱分極性筋弛緩薬:サクシニルコリン。分解がAchに比べて遅い。一回筋収縮したあと数分間弛緩。mECTなどに。悪性高熱のトリガーとなりうるので注意。安価。すぐ効くしすぐ切れるので使いやすい部分もある。

非脱分極性:Ach受容体と結合するため脱分極が怒らない。数十分間効く。高い。けど安全。ツボクラリンは腎、ロクロニウムは胆管からの排泄なのでそのへんの障害に注意。

筋弛緩拮抗薬:Achエステラーゼ阻害、ネオスチグミン。γ-シクロデキストリン誘導体っていう新薬もあり、これは筋弛緩薬と結合する感じ。

重症筋無力症:抗Ach受容体抗体が出てきて邪魔する。非脱分極性筋弛緩薬の感受性が高い。

 

こんなものか。

あとは教授様による市中病院批判。tweetしたら満足してしまった感があるけど。

経験や慣れで医療を行うことを批判したいのはわかるんだけど、どうしてそれで「市中病院」と一括りにしてしまうのかなぁ。そもそも医師はすべて大学で勉強してきたわけで、ポリクリとかを見てても別に大学病院の方々が経験や慣れでやってないように見えないんですよね。教育能力の不足を棚にあげて市中病院ではちゃんとした教育を受けられないみたいな言い方は何なのかなぁ。

ロボトミーpubmedで検索しても全然出てこないとか言うけど、そりゃ今やってないし明らかに害があることもわかってるから研究してる人が少ないんだけじゃないのかね。患者で生きている人も少ないだろうし。陰謀論めいたことを大学教授という立場でいうことに恥ずかしさとか抵抗とかないのかしらん。

批判的な目を持つ、なぜその手技を取るのか考える、とかは大事です。でもね。その話の直後、我がポリクリ班員は「さっきの教授の話、なんか理詰めって感じで説得力あったよね」と言ったあとに「課題の英語論文の訳を分担して作ってこよう」「あ、俺前の斑の人からもらったわ。同じ論文だったぜ。ラッキー」とかいうんですよ。学生のレベルがカスなのもそうですけど、その程度の教育能力だってことを悔やんだほうがいいんじゃないですかね。「大学は研究機関としてお金をもらっているから最先端のことができる。市中病院は無批判に形だけ真似る」とかいうけど、その大層な研究機関は教育機関でもあって、6年かけてその程度の学生しか作れないんですよ。まだ市中病院のほうが教育能力を持ち、しっかり教育してもらえるんじゃないかと思えますよそりゃ。「自分の医局に入らない人間には厳しくできない」みたいな言い方をする教育者の能力をどうやって信じられるんですかね。

 

とか思ったり思わなかったり。