かくこと、かかないこと
しばらく書いていないと書くことがあるようなやっぱそうでもないような感じ。
糸川さんの本についてはtwitterのほうでだいぶ満足しちゃったし。
臨床家がなぜ研究をするのか -精神科医が20年の研究の足跡を振り返るとき-
- 作者: 糸川昌成
- 出版社/メーカー: 星和書店
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: 単行本
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でもすごくいい本でした。臨床心理のコーナーにおいてあったのは謎でしたが。臨床って言葉だけで判断するなよ……もしかしたら出版社がそっち系よりなのかもしれないけど。
さて。
- 作者: 水谷フーカ
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2013/06/07
- メディア: コミック
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最終巻出ちゃいました。表紙が水谷フーカ先生の出しておられる同人誌っぽかったです。
そういえば王様のブランチの動画ってどこかないのかな。。。
さて。中身の話をしたい。
どうせ僕の好きなマンガを読んでいる方は稀でしょうけど、豆腐屋さんの家庭(三姉妹+豆腐屋の親父)+αって感じの四コマ漫画です。
別段ストーリーというほどのものがあるわけでもないです。
しっかりものの長女、元気系出戻り次女、天然系三女、頑固親父って感じのテンプレでさえあります。
ただ、ラストにストーリーマンガが入っていまして、これがもうすごかった。泣いた。
長女さんの過去話で、内容は文章にしてしまえば全く大したものでは無いです。それでも、本当にやられちゃいました。ぜひみなさんたったの4冊ですし全巻買って読んでいただきたい。
なにがこんなに力を持っているのかな、と考えると、表情の変化と時間の推移の描写がすごいのだと思います。
動画ではこれは再現できないと思います。動画は決められた時間の中で動くもので、BGMを流して季節の移り変わりを描写したりもできると思うんですが、それはそれで「どのぐらいの時間が過ぎたのか」という情報が入り、どうも余計です。そういうんじゃない。
小説でも、描写の重みが加わりますし、どうしても時間をスキップするのは難しい。一人称だろうが三人称だろうが、どうもフィルターがかかりすぎてしまう。説明的にならざるを得ないです。ごく自然な優しさを、思いを描写するには文字ではくどくなりがちですし、そこに比喩や風景描写とか入れたら蛇足もいいところです。
簡潔に時間とそれに伴う感情の変化を表すためには、やはり読者側にどれだけの余地を残せるが重要になると思います。そういうことを考えると、今回の描きおろし?短編は、マンガでなければできない物語だったんだろうなぁと思います。
ただ、たぶんほとんどの人がガチで泣くまではないでしょう。ええ、僕が涙もろいだけです。どんだけ涙もろいかを確認するためにもぜひ読んでみてください。